遺贈登記申請の簡略化
相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記について、登記権利者による単独申請が可能
第2 不登法改正関係
1 相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記手続の簡略化
(1) 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)による所有権の移転の登記は、不登法第60条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができることとされた(改正不登法第63条第3項)。
(2) これに伴い、不動産登記令(平成16年政令第379号。以下「不登令」という。)の一部が改正され、改正不登法第63条第3項の規定により登記権利者が単独で遺贈による所有権の移転の登記を申請するときは、登記原因を証する情報(以下「登記原因証明情報」という。)として、次の情報を提供しなければならないこととされた(不動産登記令等の一部を改正する政令(令和4年政令第315号。以下「令和4年政令」という。)による改正後の不登令(以下「改正不登令」という。)別表の30の項添付情報欄ロ)。
一 相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
二 遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)によって所有権を取得したことを証する情報
(3) 省略
(4) 改正不登法第63条第3項の規定は、当該規定に係る改正法の施行の日(令和5年4月1日)以後にされる登記の申請について適用することとされた(改正法附則第5条第1項)。
(注1) 相続人以外の第三者に対する遺贈については、これを相続(特定財産承継遺言)による所有権の移転と実質的に同視することができないことから、新不登法63条第3項の規定の適用対象外とされており、従前と同様の手続によることになる。
(注2) 新不登法63条第3項では、相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記については、登記権利者による単独申請が可能とされているが、登記権利者と登記義務者の共同申請によってすることが排除されているわけではない。
(出典:Q&A令和3年改正民法・改正不登法・相続土地国庫帰属法)
(参照:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html)