共同相続と預金債権
遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成28年12月19日最高裁判所大法廷 決定破棄差戻
原審裁判所名
平成27年3月24日 大阪高等裁判所
裁判要旨
共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354<参照:裁判例情報>
以上説示するところに従い,最高裁平成15年(受)第670号同16年4月20日第三小法廷判決・裁判集民事214号13頁その他上記見解と異なる当裁判所の判例は,いずれも変更すべきである。
<従来の判例>
平成16年4月20日最高裁判所第三小法廷 判決
平成15(受)670 所有権移転登記手続等,更正登記手続等請求事件
民集 第214号13頁
判示事項
相続財産である可分債権につき共同相続人の1人がその相続分を超えて債権を行使した場合に他の共同相続人が不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることの可否
裁判要旨
共同相続人甲が相続財産中の可分債権につき権限なく自己の相続分以外の債権を行使した場合には,他の共同相続人乙は,甲に対し,侵害された自己の相続分につき,不法行為に基づく損害賠償又は不当利得の返還を求めることができる。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=62575<参照:裁判例情報>